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僕らの有名人

僕らの学校にはある有名人がいる。
彼の名前はローレンス・フェザー・ベルティス。この国の公爵家の一人息子にして後継だ。だが彼が有名なのはそんな理由ではなくて--
 
「ロゥ、今日の授業は退屈だったな?」

彼のことをロゥと愛称で呼ぶ男子生徒、隣国の王子様であるラザレイ殿下だ。これだけの会話なら何も不思議じゃない、問題は王子の手がローレンスの腰をさわさわと撫でていることだ。
制服の上からでもわかる男とは思えない細腰はかなり...色っぽい。
「ラザレイ、僕は社会芸術の発展についての話は興味深かったけど貴方は退屈だったの?」
「ああまったく...芸術は理解出来ん」
ローレンスは慣れてるのか本を読みながら王子と話す。王子はそんな様子を愛おしいものを見るように見ながらまた腰をなぞったりもう片方の手でローレンスの髪の毛を弄ったりしてる。
ローレンスは別に華奢な美少年というわけではない。身長は標準より高めだし身体も鍛えている。しかし白い肌や赤い唇、そして翠の瞳。社交界の花たちなど裸足で逃げ出すレベルに整った顔立ちの一つである長い睫毛に覆われたタレ目でじっくり見られたり白い項にかかる黒髪や耳に髪をかける動作を見てしまうとその清純さと色気にどんな男もやられてしまうのだ。しかも本人が無自覚でやっているから困る。
「ロゥ、今日は一緒に寝ようか?」
「いいよ。寝相が悪いから君を蹴ってしまうかもしれないけど」
へぇ〜ローレンスって寝相悪いんだ〜...じゃなくて!?
その場にいた全員が脳内で凄まじいことを考えてると思う。
そんな様子に王子はとっくのとうにきづいていてにやりと笑い..
「夜も可愛い姿を見せてくれるよな、ロゥ?」

僕達に見せつけたのであった。
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