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インプロンプチュ

「ん、んっ、ぁんっ!」
「...大丈夫か?」
彼の手のひらが髪を撫でる。受け入れることに必死な俺は身体を震わせることしか出来ない。
「んっ、ひぁっ、あ...!」
「こら」
彼は怒ったような声を出すけど実際は怒ってなどいないことは百も承知だ。みちみちと身体の中を暴いていく熱が時折気持ちのいいところを掠め失神しそうになる。
その度にきゅうきゅうと後ろを締め付けるけど余計快感の波に気が狂いそうになるだけだ。
「ほら...はいったぞ」
「ん...やぁ...!」
まだ全部じゃない。もっと深く、誰にも明かしたことのないソコを彼に捧げたい。
もっともっとと腰を軽く揺すると彼は仕方が無い子を宥めるように頬をなでた。
「これ以上は負担が大きすぎる。我慢しなさい」
「うぅ...馬鹿...」
「恋人に向かって馬鹿とはなんだ馬鹿とは」
そう言いながら腰を軽く揺すりはじめる彼はなかなかの鬼畜だ
「んぁっ、あぁっ、あっ、ひっ!」
「知ってるか?お前の窄まりは必死で俺の物を逃がさないように締め付けてくるんだ。中のヒダが絡みついて入口はきつく締まる...ぐにぐにとして熱くてまったく、名器だな」
ダイレクトすぎるその言葉に赤面するしか他がない。だけど嬉しい、彼を繋ぎとめれる身体を持ってることが。
もっと彼に喜んでほしい、俺の身体を使ってほしい。
そんな浅ましい気持ちを表すかのように彼の背中に足を絡みつけ深い交わりを強請る。そうすると彼も深く強く腰を穿ってくる。
「あぁぅっ、あっ、あぁっ、ひぃっ!」
「ココも生意気に主張してるな?ツンと尖って虐めてほしそうに見える」
乳首の周りをぺろぺろと舐められる。だが尖りを潰したり吸ったりして強く虐めてくれなくて、俺はもどかしい。
だからーー
「もっと触ってぇ!アル専用だからっ、虐められないと...」
「ん?虐められないとどうなるんだ?」
「その、ツンツン尖ったままでずっと感じちゃう...」
馬鹿なことを言ってるが半分本気だ。そんな俺の言葉に彼は喉鳴らして笑った。
「そうか、ヴィーナの身体は俺とセックスするためのものだもんな?尖りっぱなしになってしまうよな...」
「うんっ、アルに使ってもらうための身体で...アルに孕ましてもらうためにココもあるから...」
意識して窄まりを締め付けると低くアルは唸った。
「お前は悪魔だよ、まったくな!」
「きゃぁっ、あぁっ、あっ、あっ、んぁっ、はぁん!」
激しい腰遣いに俺は気が狂いそう。
イヤイヤと頭を振ると今度は前立腺を虐められる。そこばかり突かれて何回も達してしまう。もう出るものなんて無いのに、きっと透明な汁がぴゅるぴゅる出てることだろう。
「ああっ、あっ、ぅあっ、あぁんっ!」
「ほら、空イキしてごらん」
「だめぇっ、だぁっ、やぁぁっ!」
ナカが痙攣して不規則に彼を締め付ける。精液は出なくて永遠にも思える快楽が続く。
その締め付けで彼はやっと達してくれて熱い精液がナカに注がれた。
俺はもうぐったりしてたが彼はまだ終わらないらしく執拗な責めを続ける。
そんなことに当然のように途中から失神したのは、当然だろう。
 
 
「あさ...」
朝日に目が痛い。
気持ちのいいシーツの上で何回か体勢を変える。
彼はきっと仕事だろうがダラダラ過ごすのも気分が悪いので起き上がり近くにあったローブを素肌に纏う。彼が後始末をしてくれた身体はすっきりしていた。
朝のシャワーを浴びようとバスルームに向かおうとすると--

「ヴィーナ、起きたのか」
 
驚いたことに彼が寝室に入ってきた。仕立てのいいブルーのシャツと黒いスラックス、いつも通りだ。昨日あんなに俺を責め立ててた人間とは思えない...少し、思い出してしまって後ろが疼いた。
「ヴィーナ、身体は辛くないか?」
「大丈夫」
「風呂に入れといたが、後ろはぷっくり腫れて朱色の媚肉が少し見えてしまってたからな。簡単に指1本飲み込めるほど広がっていたし...乳首は腫れすぎて真っ赤、軟膏を塗っておいたが大きくなってしまったかもしれ--」
「--は、恥ずかしいこと言わないで!」
途中まで聞き入ってしまった。急いで彼の口を閉じると確信犯な彼はニヤニヤと笑った。
「私のお姫様は淫らで可憐な花だからね、大事に扱わないと」 
「う、うるさいなぁ!?」
照れているということは自分でもわかる。それぐらい、恥ずかしい。
男なのに彼のお姫様になりたいと思うのは可笑しいだろうか、だけど俺が女性だったら良かったのにと何度でも思うのだ。そうすれば家の義務も何もかも無くして彼のために尽くす人形になれる。

「...ヴィーナ、そんなお前だから愛してるんだよ」
 
しかしそんなつまらない思考を読んだのかというぐらいの愛の告白、俺はまたしても赤面する。
 
「じゃ、早くシャワーを浴びてきなさい。朝食を準備させよう」
 
きっと何年経っても彼には叶わない
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